相談したい内容を考える
遺言を考え始めた時、自身の資産をどのように承継していくかを考え始めると思います。それが、金融資産の配分なのか、不動産の分け方なのか、株式等有価証券なのか、人によって様々違いはありますね。また、場合によっては婚外子や内縁の配偶者に残したいという意向があったり、絶縁した子供には残したくないという意向もあるかもしれません。
まずは、自分がどのような形で残していきたいか考えていきましょう。それを形にしたものが遺言となります。一度決定した内容については何度でもやり直しは可能ですが、いざという時にいくつも遺言書があっては混乱の元になりかねませんので、慎重に考えていきましょう。内容の変更をする場合は、以前のものは破棄しておいた方が無難です。
遺言の専門家とは
主に遺言のサポート業務を行っているのは司法書士・行政書士・税理士、そして信託銀行が挙げられます。弁護士も対応可能ですが、それを専門の業務としている先生は少ないでしょう。下記に遺言におけるそれぞれの役回りを綴っていきます。
ちなみに遺言については別の記事でも挙げていきますが、①公正証書遺言、 ②自筆証書遺言、③秘密証書遺言の3パターンで残しておくことが法的に認められています。
それぞれの専門家の役回り
司法書士
遺言等の遺産整理業務全般を行うことができます。特に相続発生後の登記については専門業務としており、相続に欠かせない不動産の名義変更登記については司法書士か弁護士にしか頼めません。事前に相続放棄や、養子縁組といった法的に効力を見てもらうための手続きが必要であれば司法書士の先生が必要となります。
行政書士
司法書士同様遺産整理業務全般の手続きを行うことができます。司法書士と違う点は、相続後までのサポートが必要となる場合、登記にかかわる行為は業務として認められていないため、司法書士の先生とタッグを組んでいることが多いです。司法書士の先生に頼む場合はパッケージ化していることも多いため、一部で手助けをしてほしい場合などは費用を抑えて頼めることもメリットに挙げられます。
税理士
相続税全般にかかわる業務については独占業務として、税理士にしか頼むことは出来ません。ただ、相続税の納付にかかる遺産整理業務については付随業務として代行可能ですが、相続税の納付が必要でない場合は、業法違反となるため、対応できません。
信託銀行
いわゆる「遺言信託」として遺言から相続手続きの執行までパッケージで頼むことができます。ただ、パッケージでの依頼は他の士業でも対応しているところですが、信託銀行にない資産、信託銀行以外の金融資産や不動産等については高額な報酬が必要となります。遺産の評価が大きいほど、負担の減るシステムとなりますので、資産家を優遇のするシステムをとっております。
遺言の業務に精通しているとは限らない
上記にそれぞれの役回りを挙げましたが、必ずしも遺言の業務に精通している専門家とは限りません。その人の専門性を見ていく必要が出てきます。これが依頼する側から見た時には最も厄介な部分となりますが、必ずしも、目の前の先生が遺言業務に明るいとは限らないのです。士業は連携して動いていることも多いので、自分で受注できない業務については他士業と連携しながら業務を行っていることがほとんどです。相続に強い先生が身近にいたり、紹介してくれる友人等がいるようでしたらまずはそちらの方に頼ってみましょう。いないようでしたらやはりネットで探していくことも選択肢として考えましょう。
ちなみに、遺言の手続き自体はしっかりと自身で手続きを踏むことによって効力のある遺言として認められます。ただしこれは自分で確定申告ができれば税理士は必要ないと言っているようなものなので、確実性を持たせたいのであればやはり専門家に頼むことが無難です。
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